これから、葬儀の打ち合わせに行こうか・・・と言う時のこと。近くの老人ホームの方から電話。施設入居者が死亡したので、葬儀をお願いしたい・・・とのこと。この施設では既に２人の入居者のお葬儀のお世話をしている。・・・・困った、私の携帯電話にかかってきて「大杉さんですか・・・またお願いします」と言われたので・・・私が直接行ったほうがいいに決まっている・・・でも、今行こうとしている葬家にも約束している。・・・悩んだ挙句社員に電話「仕事が重複したので、今入った方に行って下さい」すると思いもかけない返事「エッ・・・今、少しだけれどお酒を飲んじゃった！」「エッ・・・・そんな、お酒飲んだって分かりますか？」「多分分からないと思いますけれど」「じゃあ、車の運転はできないから、電車で向かって下さい」・・・・ということで、その社員に向かってもらった。
しかし、これが甘かった。相談中に「その施設の責任者に「お酒を飲んでますか？」と聞かれた。慌てた社員「エッ・・・通夜の席ですすめられて・・・」と、弁解した。
翌日、その方から電話「大杉さん・・・信頼していたのに、信頼を失いました・・・」と、いう苦情の電話。
考えが甘かったようです。昔は、葬儀屋は必ずお酒を薦められ・・・お浄めと称してご馳走になってゆくのが当たり前の業界でした・・・でも時代は大きく変化し、今や、葬儀社もサービス業になってきたのです。その社員、業界歴は４０年超の大ベテラン。業務は間違いのない人物だが、今回はその長さが災いしたようだ。昔はそれが通ったのだから・・・。
信頼を頂くのはたいへんな努力が必要。しかし失うのはチョットしたことで失う。
益々、身を引き締めて気持ちを入れ替えて、信頼回復に努力しなければならない・・・。
しかし、このようなことがあるので、私は一切、お酒を飲まない。一時も気を許すことができない職業なんです。ここが多くの人が超えられないハードルでもある。
Ｋ
